タイムレコーダー機能の目的は、作業者の正確な滞在時間を把握し、製造現場にいる時間(生産している、していないに関わらず)を正確に把握することです。
この機能の使用は必須ではありません。タイムレコーダーを使用しない場合、システムは各作業者のシフトを考慮します。このアプローチは、予定時刻の前後に作業者が製造現場を出入りすることがほとんどないような、より単純なシナリオに対して有効です。しかし、そうでない場合は、タイムレコーダー機能を使用してデータの質を高めることを検討する必要があります。
例えば、作業者のシフトが午後 4 時 00 分に終了し、生産が午後 5 時 30 分まで続いた場合、タイムレコーダー機能を使用して、作業者が明示的に午後 5 時 30 分まで製造現場にいたことをシステムに通知しない限り、生産記録に費やされた時間はカウントされません。
従って、タイムレコーダー ボタンを使用すると、入室または退室時間をスケジュール通りの時間ではなく、実際に記録した時間としてシステムに伝えることができます。タイムレコーダーの記録機能には 次の 2 つのモードがあります。
タイムレコーダーの記録と作業者のシフトを組み合わせない
タイムレコーダーの記録と作業者のシフトを組み合わせる
それぞれの機能と、どちらが異なるニーズに沿っているかは、下記をご覧ください。
1.タイムレコーダーの記録と作業者のシフトを組み合わせない:
このタイムレコーダー モードでは、タイムレコーダーの記録がペアで動作する必要があります。[入室]の記録には必ず[退室]の記録が必要で、その逆も同様です。この 2 つの記録間の時間は作業者の滞在時間とみなされますが、[入室]と[退室]のペア以外の時間は滞在時間とはみなされません。
このモードを使用する場合、システムはまずタイムレコーダーの記録タイプを[入室]と仮定します。作業者の最後のタイムレコーダーの記録が[退室]であった場合も同様です。同様に、前回のタイムレコーダーの記録が[入室]であった場合、システムはタイムレコーダーの記録を[退室]とみなします。
2.タイムレコーダーの記録と作業者のシフトを組み合わせる:
このモードは、さらなる柔軟性を提供します。特定の時刻に作業者がシフトでスケジュールされた通りのステータスにない場合に、タイムレコーダーの記録を個別に作成することができます。タイムレコーダーのタブレット ボタンをタップすると、システムは作業者に対してそれが[入室]または[退室]のどちらであるかを必ず確認します。
タイムレコーダーの記録のタイプを考慮し、システムはその日のシフトを延長または短縮します。次に、いくつかの例を示します。
午前 8 時~午後 12 時と午後 1 時~午後 5 時のシフトを考えてみましょう。
ケース 1 - [入室]記録が午前 9 時で作成される場合:
システムはその日のシフトを午前 9 時~午後 12 時、午後 1 時~午後 5 時とみなします。
ケース 2 - [退室]記録が午後 5 時 30 分で作成される場合:
システムはその日のシフトを午前 8 時~午後 12 時、午後 1 時~午後 5 時 30 分とみなします。
ケース 3 - [入室]記録が午前 7 時 45 分で、[退室]記録が午後 3 時 45 分で作成される場合:
システムはその日のシフトを午前 7 時 45 分~午後 12 時、午後 1 時~午後 3 時 45 分とみなします。
それぞれ 2 つのモードの違いは以下の通りです。
タイムレコーダーと作業者シフトを組み合わせない | タイムレコーダーと作業者シフトを組み合わせる | |
タイムレコーダーのタブレット ボタン | タイムレコーダーのタイプを前提とします | 作業者は、[入室]または[退室]のどちらを記録するかを指定する必要があります。 |
特定の日にタイムレコーダーの記録が作成されない場合 | システムは作業者のシフトを考慮します | システムは作業者のシフトを考慮します |
一日を通して、タイムレコーダーの[入室]記録が 1 回だけの場合 | タイムレコーダーの[入室]記録にはかならず[退室]が必要なため、これは無効な記録です。代替措置として、作業者は午後 11 時 59 分までいたと見なされます。 | システムは、タイムレコーダーの記録を最も近いシフトの開始時刻と組み合わせます。 |
タイムレコーダーの記録(バックオフィス) | 一致する[入室] <> [退室]記録がない場合は、警告が表示されます。 | 警告が表示されることはありません。 |
FAQ
1. 生産前に作業者を強制的に入室させることはできますか?
はい。この動作は、アカウント マネージャーが設定できます。Autodesk Fusion Operations では、3 つの異なる動作から 1 つを定義することができます。
いかなる時も[入室]を強制しない(既定の動作)
その日の生産データの収集を開始する前に、強制的に[入室]させる
作業者がシフト開始前にデータを収集しようとしている場合にのみ、[入室]を強制する
モード(2)と(3)の主な違いは、作業者が予定時刻後に生産を開始した場合に、[入室]を強制するかしないかに関連しています。午前 8 時~午後 5 時までのシフトで、作業者が午前 9 時 20 分に生産を開始した場合を考えてみましょう。
モード(3.)ではタイムレコーダーの記録は強制されませんが、(2.)では強制されます。その結果、午前 8 時~午前 9 時 20 分までの時間は、モード(3.)では滞在時間としてカウントされますが、モード(2.)ではカウントされません。これは、タイムレコーダーの午前 9 時 20 分の記録がモード(2.)で強制されているためで、システムはそれまで作業者がいなかったとみなします。
2. 昼休みやその他の休憩時間を導入するにはどうすればよいですか?
昼休みは、上の例のように、作業者のシフトに定義することができます。また、午前 8 時~午前 9 時 45 分/午前 10 時~午後 12 時/午後 1 時~午後 3 時 15 分/午後 3 時 30 分~午後 5 時など、さらに休憩時間を追加することも可能です。タイムレコーダーの記録がない場合、60 分の昼休みと 15 分+15 分の休憩時間が滞在時間と勤務時間から差し引かれます。
しかし、作業者が日中いつでも記録をする場合は、それがもたらす可能性のある影響に目を向ける必要があります。
タイムレコーダーの記録がシフトと組み合わされている場合、システムはシフトを見て、それを延長または短縮します。
タイムレコーダーの記録がシフトと組み合わされていない場合、作業者はその日に行ったすべての入出を記録する必要があります。
3. 昼休みを導入する他の方法はありますか?
はい。昼休みは、ダウンタイム記録を使用してモデル化することもできます。ダウンタイムの理由コードは、[作業者の理由コード]チェック ボックスのみを有効にして作成してください。
4. 作業者が欠勤していることをシステムに知らせるにはどうすればよいですか?
作業者が 1 日以上不在の場合、不在の作業者(または複数の作業者)のダウンタイム記録を挿入することをお勧めします。このダウンタイム記録では、[カレンダー]と[作業者の理由コード]チェック ボックスが有効なダウンタイムの理由コードが必要です。
5. 作業者がシフトを変更した場合、またはシフトを繰り返す場合、他の選択肢はありますか?
はい、シフト変更機能を使用して設定することができます。こちらの記事で詳しくご覧ください。
6. タイムレコーダーの記録の[記録と作業者シフトの組み合わせ]チェックボックスは何を意味しますか?
タイムレコーダーのモードが[記録と作業者シフトの組み合わせ]である場合、作業者が[入室]および[退室]した瞬間に、このボックスが自動的にチェックされます。逆側のモードが有効な場合、チェックボックスはオンになりません。タイムレコーダーのモードを逆にしても、以前のタイムレコーダーの記録は更新されませんのでご注意ください。
7.この他に留意すべきシナリオはありますか?
注意しなければならない使用例が 1 つあります。シフトのステータスに関係なく、作業者が退室した場合、システムはその作業者がその日の残りの時間、不在であるとみなします。これは、どちらのタイムレコーダーのモードにも当てはまります。
したがって、製造現場に戻った労働者は、かならず速やかに入室したことを記録する必要があります。先ほどと同じシナリオで、午前 8 時~午後 12 時、午後 1 時~午後 4 時のシフトを考えてみましょう。
[入室]記録が午前 7 時 45 分で、[退室]記録が午前 11 時 50 分で作成されました。
システムはその日のシフトを午前 7 時 45 分~午前 11 時 50 分とみなします。
[退室]記録が午前 11 時 50 分で、[入室]記録が午前 1 時 40 分で作成されました。
システムはその日のシフトを午前 8 時 00 分~午後 11 時 50 分、午後 1 時 40 分~午後 4 時とみなします。
したがって、退室後に作業者が仕事に戻った場合、Autodesk Fusion Operations が作業者の滞在時間をカウントするには、タイムレコーダーの[入室]記録が必須です。
シフトの設定についてサポートが必要な場合は、ライブ チャットまたはアカウント マネージャーにお問い合わせください。サポートが必要な場合、 Fusion Operations エキスパートがあなたに連絡するようにこちらからリクエストしてください。